Middle10 月を見失わないで
G M 次のシーン。史明がシーンプレイヤーでーす。
史 明 うあーん、本当にギリギリだよー! 侵蝕率89になりました!
苺 花 矢作、私も89だよ!
京 也 マジ? 俺まだ74。
G M 大変そうですが、全員登場していただきます。そんな衝撃の出来事があった後、既に日も暮れて三人は落ち着い
て話せる場所を求め、どこにいることにする?
史 明 僕の社長室じゃないかな。
G M わかった。では、史明の部屋に三人は集まった。
苺 花 私は…何も言えずに俯いている。
史 明 僕はソファに座って、うーんうーんと唸るよ。
G M では君達の邪魔にならないように、三崎が暖かいお茶を差し出してくれる。
史 明 がっと掴んで、ぐいっと飲み干す!「…あづ!」
G M 明らかに普段とは違う三人の様子に、珍しく三崎がその場を立ち去らない。
史 明 視線を一度三崎にやるけど、出てけーとも言えずにまたソファに頭を沈める。
G M では史明ですらそんな様子であることを知って、三崎が君たちに向かって話し出す。
三 崎 「お三方。……何があったのかはお聞きしません」
一 同 ……。
三 崎 「ですが、貴方達は俯くためにこの道を選んだわけではないでしょう?」
史 明 やべ。オーヴァードの先輩にそんなこと言われちゃった。
苺 花 その言葉は苺花には効くなあ。後悔するかどうかは自分で決めるってあの時言ったのにね。
三 崎 「前を向いて歩き続けることが出来ないのはわかります。辛いことも、どうしても選んだ道から逃げ出したくな
ることもあります。ですが、逃げても何もならない。そのことは貴方達ならばわかっているはずです。一通り落
ち込んだ後は、自分達が為すべきことを探してください」
G M それだけいうと三崎は「出すぎた真似をいたしました。それでは失礼します」そういって社長室から出て行くよ。
京 也 じゃあ背伸びしつつ立ち上がって、「…秘書の説教受けるなんざ、矢作一人で十分だ」
史 明 「うるさーい。キョーちゃんのくせになまいきだぞー」って言いながら僕も立ち上がる。「でもなー、気が進ま
ないんだよなあ。僕正直病院で戦いたくなーい…何とか外に誘い出せたりしないかなあ…」
苺 花 ちょっと考えてから「ねえ、藤倉、矢作。あたしを囮に使えないかな。あたしのウィルスの記憶が欲しいんでし
ょ?…他の人の安全が確保できる場所までおびき出せる、かも?」
史 明 「…キョーちゃんが止めないならやってやらなくもなーいー(によ)」
京 也 「いっちょ、やってみっか?」
苺 花 「じゃあ釣り人、よろしくね!」(笑顔)
G M じゃあ具体的な方法を提示してください。どうやって坂本永子を呼び出すのかな?
苺 花 病院に電話って出来ないかな?
G M 電話は繋がるよ。
苺 花 うん、じゃああたしが電話をかけるよ。
G M 何度かのコールの後『はい、弦月中央病院です』
苺 花 「夜分遅くに申し訳ありません。中村永子先生に繋いでいただけますか」
G M 『申し訳ありません、中村はただ今往診中で席を外しております。何かご伝言がありましたら伝えておきますが』
苺 花 「それでは申し訳ありませんがご伝言よろしくお願いします。私佐々木苺花と申しますが…」今何時ぐらい?
G M そうだな。夕方の6時ぐらいにしよう。
苺 花 じゃあ8時に鳴鈴学園のグラウンドっていうのはどう?
京 也 学校って言って、電話の人に怪しまれねえか?
苺 花 でもカウンセラーだよね?「いつも先生にはお世話になっています。鳴鈴学園でお待ちしていますとお伝えくだ
さい」戸惑われるかな?
G M なるほど、カウンセラーだからそういう電話もあるのかもしれないね。『…どうかなさいましたか?』と軽く追
求をしようか。
苺 花 「いえ、それだけ伝えていただければ結構です」とだけ言って電話を切ろう。
G M 電話に出た看護士の、戸惑ったような『あの、ちょっと…!』という声が聞こえてくるけれど電話は切れた。
京 也 「さーて。それじゃ行くか」
俯いていた顔を上げる。全員の瞳に宿るのは、決意。
苺花の中に眠る危険なウィルスを狙う人がいる。でも立ち向かわなければならない。
そうすることでウィルスは確実に侵蝕し、苺花を奪っていくのかもしれない。でも戦う道を選んだ。
―――今はまだ、後悔しないとは言えない。けど、自分で選んだことだから前だけを見る!
苺花の混ざり合った複雑な思いは、自然と零れ落ちる一粒の涙になる。
それがぽたりと床に落ちたその時、まるでさざなみのような優しい衝撃波がそれを中心に広がっていき―――三人を飲みこんだ。
⇒Master02