Middle08 AMARANTH





G M では次のシーン。続きなので全員登場です。
京 也 (ころころ)3。
苺 花 (ころころ)9ー?! 嫌な予感がするぅー。
史 明 (ころころ)4! よしよし。
G M 全員いいですか? ではヴェノムに付き従って三人は病院の中を進んでいきます。病院関係者もヴェノムがいる
    ことで君達を遮ることは出来ません。見た目は普通であるけれど、端々から感じ取れる緊張感が病院のそれとは
    違うことに気づけます。どんどん進んでいくと厚いアコーディオンカーテンに遮られた通路にたどり着くけど、
    ヴェノムはそれも開いて君達に先に連れて行ってくれる。その先は今まで以上に管理が行き届いている、完璧な
    病棟とも言うべきだろうか。
苺 花 うーん(唸)。
史 明 「研究所みたいだね…」
ヴェノム 「そうだよ」
苺 花 「え?」
ヴェノム 「ほとんどそんなもんだ、ここはな」
G M 史明の何気ない言葉に反応して、ヴェノムは吐き捨てるようにそう言う。そして歩みを進めた先にはある一つの
    病室の扉の前で立ち止まる。そこで苺花、RC判定をお願いします。
苺 花 RC?(ころころ)14。
G M OK、わかった。扉には申し訳程度にネームプレートが付いている。『榊 日向』と。
ヴェノム 「入んぞー」
G M ヴェノムがそう言って病室の扉を開けた瞬間、苺花は一瞬だけワーディングの中に入った時のような、異空間に
    飲み込まれたような気配を感じた。
苺 花 あ、じゃあすぐに戻るんだ? 一瞬ふらっとする。
史 明 僕らは何も感じないの?
G M うん。苺花だけ。
京 也 「どうした?」
苺 花 そういわれても「…なんだろう?」とだけ答えるかな。
G M では、全員が扉をくぐり部屋に入ると…。




まず見えたのは衝立だった。
幸い今日は天気がよく、少しだけ開いた窓から入ってくる風が、清潔そうな白いカーテンを大きく揺らしている。
そして風が止み、カーテンが元の場所に収まったことによって、ベッドの上に座っている一人の男性の姿が現われる。


見た目は二十代半ば、髪は短く、長期の入院をしているだけあって痩せてはいるが弱弱しくは見えない。
それは、ひどく生真面目で厳格そうな顔が、そうさせているのだろう
そして上着の右袖がひらりと揺れることから、彼が隻腕であることもわかった。
ヴェノムは飄々と歩いてベッドに近づき、声をかける。



「ほれ日向。連れてきてやったぞ」


「…礼は言わんぞ。お前のしでかした無礼を謝罪するんだからな」





一 同 (笑)
G M 日向と呼ばれたその人物はベッドの上に正座になり、つくことの出来る片手だけをつけて君達に深々と頭を下げる。
日 向 「佐々木苺花さん。矢作史明君。藤倉京也君。まずは当家の人間が多大なご迷惑をおかけしたことを深くお詫び
    申し上げます」
苺 花 び、びっくりして慌てて頭を下げるっ。「い、いえ!」
日 向 「私が榊家頭首、榊日向です」そういって意志の強そうな瞳で君達を見つめる。
苺 花 緊張しつつも、委員長気質を発揮して答える。「ほ、本日お招きいただいた理由は、どういったことでしたか?」
日 向 「一番したかったことは、当家の者が――」(ヴェノムに視線を送り)
ヴェノム 「ぴゅーぴゅぴゅー♪」
G M 口笛を吹くヴェノムの横っ面に、日向が片腕で投げつけた枕が、ぼごぉっ!! という鈍く激しい音を立てる。
京 也 だから元気じゃねえか重病人っ!!!!(笑)
史 明 あ。じゃあ落ちた枕拾うー(いそいそ)。
日 向 「当家の者が皆様に多大なるご迷惑をおかけしたことを謝罪すること。そして貴方達、特に佐々木苺花さんは自
    らの逆境に立ち向かおうとしているとお聞きしました。お詫びも兼ねて、私の知っていることを話したほうがい
    いと思い、お呼びした次第です。何分このような身分のため、直接お伺いすることも適わず、更なるご無礼をお
    許しください」
苺 花 「……やっぱり、MB計画のことについてなんですね」
日 向 「そうなります。聞いていただけますか?」
苺 花 「教えていただけるのなら」
G M 全員に椅子をすすめて、日向は正座をとき胡坐になってから話を始める。
日 向 「まず、私もThe moon bondsの一つである【アマランス】の感染者です」
苺 花 うすうす感づいていたので驚きはしない。「そう、ですか」
日 向 「そこまで調べがついていたのですね。私は幸いオーヴァードでないため、エフェクトを使うことによってウィ
    ルスが進行することなく、なんとかこのように生きております。ただ日常の小さな怪我や病気を治すときに発現
    していたようでした」
京 也 「要するに、身体を治すためにアマランスが進行したってことか」
日 向 「(頷く)昔からおかしいとは思っていたのですが、それがアマランスのせいであるということは交通事故でこ
    こに入院した時に全てを知りました」
史 明 「じゃあ怪我をしても治りが異常に早かったってこと?」
日 向 「そうですね。それもまるでオーヴァードであるかのように」
史 明 リザレクトみたいなもんだね…。
日 向 「次に、皆さんが心配されている『ラキア』の件です。『ラキア』という組織がこの件について手を出してくる
    ことはないでしょう。FHが独占的に進めようとしている計画である限り、これに関する依頼がラキアに行くと
    は思えないからです。…ただ」
京 也 うん?
日 向 「ラキアの総帥個人が、気まぐれで出てくる可能性だけはある」
京 也 つまり榊の親戚筋だよな。
苺 花 「…名前とかは、教えてもらえますか?」
G M そこで日向が初めて口をつぐむ。
日 向 「聞かぬほうが、いいかと思います」
苺 花 「それはどうしてですか?」
日 向 「貴方達はオーヴァードではありますが、普通の高校生でもあるはずです」
苺 花 うん……。
日 向 「闇の世界の事情に深く精通する必要はないかと思います」
苺 花 思いやりだよね……じゃあ聞けないなあ。
日 向 「なるべくそのような気まぐれは起こさぬよう、私の方でも話をつけましょう。私が皆さんに伝えようと思って
    いたことはひとまずこの程度ですが、何かお聞きしたいことはないでしょうか」
苺 花 ある。あるんだけど。ヴェノムさんが私に対してやってきたことについてここで聞くのは、感じ悪くなりません
    か!?(笑)
G M ああ。じゃあ苺花が言いよどんでいることを察知して日向が言うよ。
日 向 「この馬鹿がしたことは全て聞いております。どうぞ、遠慮なさらず。何かありましたら地べたに頭を擦り付け
    んばかりに謝らせますので、どうぞ、おっしゃってください」(真剣)
苺 花 「い、いえっ! もうヴェノムさんに謝っていただかなくてもいいんですがっ」
ヴェノム 「ほらっ、謝らなくてもいいって言ってんじゃん言ってんじゃん!」
G M と騒ぐヴェノムに、今度は陶器のカップが飛ぶ。ごっすうううう!!!
史 明 ああ、また落ちたの拾う(ひょい)。
苺 花 「……私はMB計画っていう大事に自分が組み込まれていることを知りました。ヴェノムさんが私達と対峙する
    ことになったのは、この計画に関わることだったというのはわかります。でも私がいると、実際この計画はどう
    なるのかがわからないんです。いなくなると、計画が止まるんですか?」
日 向 「…おい。ヴェノム、まだ俺に話していないことがあるだろうお前」
苺 花 まだ秘密あるんだ!!(笑)
ヴェノム 「…止まる、ってわけではないよーだ」と床の上で口笛吹いてる。
京 也 「拗ねんな!」(笑)
ヴェノム (溜息)「お嬢ちゃんと日向のウィルスが違う種類なのはわかってんだろ? 日向のウィルスは『永遠の肉体』
     を。そしてお嬢ちゃんのは『永遠に記憶を蓄積していく』能力を持っていると言われてる。永遠にクリムゾンク
     ローバーに感染された人物の記憶が残っているのだとしたら、The moon bondsの研究についての記憶も残ってい
     るかもしれねえだろ?」
苺 花 …あ、そうか! 何人もの人の記憶が受け継がれているのだとしたら…。
ヴェノム 「もしかしたら、研究者の記憶すらもあるかもしれない。お嬢ちゃんを殺してその『記憶』を取り出すことが
     出来れば…The moon bondsを取り除く方法が見つかったかもしれねえだろ」
苺 花 (理解して)あああああああ。……私、生きたいし周りのことも裏切れないし、自分のことを守ろうとして道を
    違えかけてしまったトコちゃんのことを考えると無茶できないな、生きて帰らなきゃ怒られちゃうなって思ってる。
    ……けど……。
G M そう。だけど君の目の前には、助けたい人が救えるなら君のことを殺せると言っている人がいるんだ。本人を前
    にして言うのは流石に気まずかったみたいで、視線を合わせられないみたいだけども。
苺 花 うううう、でもこんな気持ち、矢作と藤倉に聞かせたくないよう。…ようし、「矢作! 藤倉! 耳ふさいでてっ!」(笑)
京 也 …えー(笑)。
ヴェノム 「お嬢ちゃん〜、今更二人に関係なしってのはねえだろ。もし聞かなかったとしても、こいつらはきっと最後
     まで傍にいるぞ?」
苺 花 「うー…絶対怒られるから、聞かせたくなかったんだけどなあ…」そう言って乾いた笑いを浮かべる。
京 也 いや、黙ってる。抑えるよ、何があっても。
苺 花 「事態がどういう風に転がっていくかわからない。でも止める方法が足掻いて探して行こうと思います。でもも
    し、間に合わなかったら。私の侵食が進んでしまったら、その時には」




苺 花 「私の命を取りに来てください」




苺 花 「ギリギリまで頑張る、けど。それがヴェノムさんがすぐにしたいことを叶えてあげられなかったことへの、精
    一杯の譲歩、です」
京 也 黙って、目を閉じて聞く。
史 明 じゃあ逆に、しっかり苺花ちゃんを見ている。
ヴェノム 「…あのね、お嬢ちゃん」
苺 花 「?」
ヴェノム 「助けたい人、ここにいるんだよね。その人の目の前で言われて、それやったら俺怒られると思わない?」
苺 花 「あ」
ヴェノム 「そういうことは後でこっそり言ってくれなきゃー!」(一同爆笑)
G M そう苺花に詰め寄るヴェノムの首根っこを、日向の左手が掴む。そしてそのまま器用に片腕で、ヴェノムの首を
    締め上げる(笑)。
日 向 「そんなことは決してさせませんので、頑張ってください最後まで!」
ヴェノム (必死に腕を叩いてギブアップを訴えている)
日 向 「…貴方は、死んではいけない」
苺 花 さっきの言葉を消しはしない。「勿論、なるべく頑張りますよっ。この爆弾を抱えても、皆と一緒に先に進むっ
    て決めたのは私ですから」と微笑んで言う。
日 向 「…わかりました、貴方が後悔しないようにやってください。私のことなど構わずに、貴方がしたいように生き
    てください。私も出来る限り、貴方達の手伝いを出来るように努力します」
G M そういって日向が再度頭を下げる。
京 也 おう。で、帰り際に一言だけ日向に。色々込めて「ありがとな」とだけ言う。
G M じゃあヴェノムが病院の入り口まで送ってくれる。「ああばれちゃった。ば〜れちゃった」と言いながらついて
    来る(笑)。
苺 花 「ヴェノムさんごめんなさい、あそこで言っちゃいけなかったですよね…」(笑)
ヴェノム 「まあそれはいいけど」
苺 花 「今日は色々と有難うございました」
ヴェノム 「いいえどういたしまして。感謝して崇め奉りたまえ電話番号教えたまえ」
苺 花 「え。連絡先ですか?」(携帯取り出し)
京 也 「ドサクサにまぎれて何やってんだゴラアアアアア!?」
ヴェノム 「邪魔すんなこの金髪があああああ!!」
史 明 「苺花ちゃんの携帯番号知りたくばキョーちゃんの死体をこえてゆけー」
ヴェノム 「え。(こそこそ)やっぱりそうなの? あれ、ラヴなの?」
史 明 「…未遂」
ヴェノム 「未遂!? ちょっと、あいつ幾つぅ? 17歳でしょー?」
京 也 …無言で喫煙室の灰皿を担ぎ上げる。
史 明 「ヤンキーは見た目よりもピュアなのだよ」
ヴェノム 「ヤンキーピュアっ子キモっ!!」(がくぶる)
京 也 「(ぷち)殺すううううううう!!!!!」
G M はい、シーン切るよー(笑)。







 
 
 
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