Middle04 胡蝶の夢は現と為れり(又は、世紀末覇者教師伝説)
G M シーンプレイヤーは苺花。苺花が眼を覚ますと、間違いなく君の部屋だ。時間は朝、天気は良いね。
苺 花 朝!?
G M うん。で、雀の鳴く声や、お母さんが料理をする音、お父さんが見ているだろうニュースの音なんかも聞こえる。
母 「苺花ー、そろそろ起きないと学校遅刻するよー!?」
苺 花 …薄らぼんやりと、「何かとても嫌な夢を見ていた気がするなぁ」と思いつつ「はーい」と返事をする。で起きて、部
屋にある鏡を見て、なんてことはない自分の顔を確認する。
G M いつも通り普通だね。
苺 花 でもきっと違和感があるとしても覚えてないよね。
G M 制服もいつもと同じ場所にかけてあるし、鞄もいつもの場所にちゃんと置いてある。汚れとかも全く無し。
苺 花 夢(であろう事)に対して「後味悪っ」と思いながら、「今行くー!」と返事をして、階段の下に下りる。何事もなく
いつも通り登校します。
G M 「佐々木さんおはよー」「苺花おはよー」「委員長おはよー」とクラスメートや顔見知りの子が声をかけてくれます。
苺 花 「はよーはよー」普通にお返事。
G M 先生とかも「おー佐々木おはよー。朝から元気だなー」
苺 花 「おはようございまーす。それだけが取り柄ですからー」
G M そうやって、いつも通り校門をくぐる。友達も先生も皆同じ方向に歩いていって、敷地内にはやっぱり工事の人とかも
入っていたりする。いつもと何ら変わらない朝だね。
苺 花 そのまま、皆に挨拶しつつ教室に行く。
G M 2年D組はいつも通り、始業前で騒がしい。「苺花おはよー! 昨日のカラオケ、楽しかったよ〜!!」
苺 花 「あーん、今度は誘ってよぅー?」
G M 「じゃあこんどはいつ行こっか〜」と楽しげに皆で話すわけですな。
苺 花 でもそれを聞いていて、『あれ? どうして私カラオケに行かなかったんだっけ?』と思って、『ああそうそう、昨日
日直だったからだ』と一瞬沸いた違和感を、ふるふるっと振り払う。
G M じゃあ精神で振って。
苺 花 (ころころ)9。
G M 9か。やるなー、ぎりぎり成功だ。
―――どうして私、カラオケに行かなかったの?
―――うんそれは、日直だったから。
―――それから?
―――それから私、どうしたっけ?
―――ええと…そうそう、るりちゃんと一緒だったんだ。
―――るりちゃんと一緒に…何処に、行ったんだっけ?
苺 花 「それで、るりちゃんと一緒に…おかしいな、記憶がぼんやりしてる…」
友 達 「るりちゃんって、C組の内村さん? 何か用事あんの?」
苺 花 「ううん、特に用事があるわけじゃ、ないけど…」
友 達 「何か、やたら元気だったけどね」
友 達 「鞄振り回してたよ? 何か気持ち悪いぐらいだったけどね〜…いや気持ち悪いって言ったら悪いんだけど! ほらあ
の子って、真面目なだけって感じじゃない? 他の子と一線画してる、て感じで。だから意外だったのよ」
苺 花 「へ〜…」て聞き流してから何となく気になって、ちょっと隣のクラスを尋ねてみる。
G M C組も同じようにざわついてて、内村るりは彼女にしては珍しく、クラスの女の子達と楽しげに話している。「やだもー、
ちょっとそれおかしくない?」とちょっとギャルイントネーションで話したりしてる(笑)。「だから、この計算はこ
うじゃないってー。全くバカなんだからー」と、彼女にしてはかなりテンション高い。
苺 花 元気なのは良いけど…ちょっと不思議に思う。
G M じゃあそこでるりがぱっと振り向いて、「あっ佐々木さん、おはよー!」って駆け足で近づいてくる。
苺 花 「おはよー…」
る り 「あれ、どうしたの? 何だか顔色悪いよ? 元気無い? 調子悪い? 保健室行く?」
苺 花 「いやーなんか、夢見悪くってさ〜」
る り 「夢見?」
苺 花 うーん…ちょっと上手く説明できなくて、「解んないけど、悪い夢を見たみたいな…ちょっと眠りが浅かったっぽくっ
て、寝不足、かな?」
る り 「ええー…何か本当に顔色悪いよ、一緒に保健室行こうか?」
苺 花 「ううん、平…」
る り 「行ってあげるよ友達だから」
るりのその声は、語彙の普通さよりも強く苺花の胸に響いた。
目の前にあるのは、るりの満面の笑み。
一瞬だけ、脳裏に蘇る何某かの光景。
それを意識するより早く、苺花は伸ばされた手を払い除けていた。
苺 花 その行動に自分でも吃驚しつつ、「本当に大丈夫だから、只の寝不足だから。そんなんで保健室行ったら、追い返され
ちゃうよぅ」と言いながら自分の教室に戻る。何であの時るりちゃんの手を振り払っちゃったんだろうと思いながら。
G M じゃあ立ち去る苺花の背に、るりの声が投げかけられるね。
「だいじょうぶ。佐々木さんは、友達だから。だから、転校も入院もしなかったじゃない」
苺 花 …(小刻みに震えている)「転校…? 入院…?」
G M 振り返る?
苺 花 うん、振り…返る。
G M 凄く大人びた笑みを浮かべた内村が、教室にすっと戻っていった。
史 明 (唐突に)はい、GM。出ていい?
G M どうぞぅ。何すんの?
史 明 苺花の後姿を見て、んん?と首を傾げながら「おはようイインチョ!」
苺 花 「…あ、矢作おはよー」毒気を抜かれて自然に。
史 明 「何だ、元気が無いぞぅ! 人間元気が一番! ねっ、ねっ! じゃっ!」ぱーんっ、と教室に入る(一同笑)。
苺 花 一瞬物凄く不安で怖かった背中が、ちょっと楽になった感じがして。「うん、何てことない、いつも通りいつも通り」
と言い聞かせて教室に戻る。
史 明 目の前でドア閉めたけどね。(一同笑)
苺 花 「矢作ー、閉めないでよぅ!」(笑)
G M 京也はどうする? 出る?
京 也 どうしよっかなー…学校にいるけど屋上にいていい? サボってる。
G M まだ出ないってことね。了解了解。じゃあ、HRの鐘が鳴って、南里先生が教室に入ってくる。「委員長、号令ー」
苺 花 「きりーつ、れーい。おはようございまーす」
一 同 「「おはようございまーす」」
南 里 「おー?(ぐるりと教室見渡し)ふ・じ・く・らはどこだーぁ!?」
史 明 「はーい、はーい! キョーちゃんはどっかでクダ巻いてると思いまーす」
南 里 「うん多分そうだなー。よーしあいつは、後でヤキだー」(一同笑)
苺 花 いい先生だなぁ!(笑)
南 里 「額に『肉』って書いてやるぞ、皆手伝えよー」(一同爆笑)
史 明 「はーい、はーい! じゃあ俺、『肉』の上に『米』って書くー」(爆笑継続)
南 里 「いいぞー、テ○ーマンだー、テ○ーマンとキン肉○ンの刑だー」(更に爆笑)
京 也 (屋上で煙草を吸っていて)「ぶぇっくしょいっ!!」(笑)
南 里 「奴がこの学校一番の不良だったとしても、数の暴力でぇー、勝てる。人数の勝利だー」
史 明 「はーい、はーい! 拳でかかってくときっと負けるから、言葉の暴力でシメるといいと思いまーす!」
南 里 「素晴らしい考えだ。いいぞ矢作ー。はい、他に意見は無いかー?(一同爆笑)というのは冗談だ、先生クビになっち
ゃうからなー。藤倉がいくら不良でもな。皆、PTAには内緒だぞー」(爆笑継続)
京 也 いい先生だなー。凄いノリの良い先生だ(笑いすぎて息切れ)。
南 里 「では朝から、大変嬉しいお話がありますよー。可愛い女の子が、転校生で入ってきます。どうぞー」
G M その声に答えて、がらっと教室のドアが開きます。入ってきたのは苺花、君が昨日日誌を置きに行った―――誰と置き
に行ったのかははっきり解らないけど―――時に見た、女の子。矢作は、昨日焼け落ちたビルの中で見た、女の子。癖
のある長い黒髪を靡かせながら、大人びた感じの女の子が入ってきます。そして背筋をぴんと伸ばして挨拶します。
「はじめまして。高里基子です。宜しくお願いします」
彼女は静かな声でそれだけ言って、一礼し、顔を上げる。
その視線は、一番前の列の史明に、今は主のいない京也の席に移り、そしてゆっくりと苺花を見据える。
瞬間――――苺花の周りの世界が、色を失った。
苺 花 あれっ…?
G M 基子と、隣に座っている矢作だけは色づいている。でも他は、先生も、他の生徒も、教室の壁も、空も―――全て白黒
になっている。動けているのは君だけだ。
苺 花 矢作も動いてない?
史 明 いや、フツーの「ふーん」って顔して、2人を見てる。
苺 花 びっくりする。「えっ? 何?」と立ち上がって辺りをきょろきょろ見渡して、混乱してる。
基 子 その様子を見ながら、凄く顔を歪めて小さく「っ…」と舌打ちをする。その瞬間、サッ…と世界に色とざわめきが戻っ
てきた。
南 里 「おーいどした? 佐々木? 佐ー々木ー?」
苺 花 「えっ? えーっと…」(まだ混乱中)
南 里 「そんなに吃驚するほど美少女だったか? いや確かにそうだが、心配するな。お前も可愛いぞ☆(一同笑)大丈夫だ!」
苺 花 「いやんそんな事解ってますぅ、じゃなくてー!!」(ノリツッコミ)
南 里 「おおー、委員長はどうやらライバルを発見したみたいだぞ皆ー!」(笑)
級友達 「わー頑張れ委員長ー!」「負けるな委員長ー!」「苺花負けないでー!」「でも高里さんも可愛いぞー!!」(大盛り上がり)
京 也 本当ノリ良いなこのクラス!(笑)絶対ここ学年で一番ノリ良いクラスだよ!
G M うん、多分ね。
史 明 じゃあ俺は、基子の方を見てニヤニヤ笑ってる。ふゥーん?て感じで(笑)
京 也 黒い…!(笑)
南 里 「じゃあ高里さんは、そこの空いてるのはバカ(京也)の席だからー、その前の席ね。そこ座るとバカが移るから」(一同笑)
京 也 屋上で「へっくしょい!」くしゃみ2回目。良くない噂(笑)。
基 子 「解りました」真っ直ぐ席に向かって歩いて、苺花と擦れ違うね。
苺 花 不思議な感覚がして、擦れ違って後ろに来た時にそっと振り返ってみる。
G M 基子は振り返らないね。自然に、指示された席に着く。
苺 花 やっぱり何か、体調が悪いのかもしれないな、と思って、「先生、保健室行ってきます」と言っちゃう。
G M 「おお佐々木、本当に大丈夫か?」と先生も心配そう。周りの友達も「苺花大丈夫?」「委員長大丈夫か?」「誰か保
険室ついてってやれー」と口々に言って、保険委員の子が「じゃあ苺花、一緒に行こ。体調悪いなら無理して学校来る
事ないのに…」と心配してくれる。
苺 花 無理して迷惑かけたくないから、「休めば大丈夫だと思うから…ちょっと気持ち悪くって」
G M じゃあ「解ったから、行こうね」と保険委員の子が促して、苺花は退場します。
史 明 その後姿を黙って冷静に見送ります。
G M ここでシーン終了ですー。
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