Opening01 黄昏の転校生
G M シーンプレイヤーは苺花ー。オープニングなんで、京也と史明は出られません。
苺 花 はーい。
G M えーここは北の大地、弦月市鳴鈴学園高等学校。可もなく不可もなく、普通の高校の、君は2年D組のクラス委員
長をやってます。
苺 花 はい。
G M 今日もいつも通り授業をこなして、授業が終わるところから始まります。苺花、君は今日日直だったので、日誌を
職員室の担任の先生に持っていかなくてはいけません。
苺 花 日誌を書き上げて、ほっと一息。
G M 友達が「苺花苺花ー! 今日これが終わったら何か用事あるー?」
苺 花 「んー、時間かかりそうだから、先帰ってて良いよぅ?」
友 達 「えー、待ってるよー?」友達はそう言うけど。
苺 花 んー…待たせるのが悪いな、と思うタイプなので、「いいよいいよ」と帰しちゃう。
友 達 「そーぉ? これからカラオケでも行こうと思ってたのにー」
苺 花 「あ〜行きたーい、行きたいけど〜!!」(一同笑)
G M 行きたいけど、止めておく?
苺 花 うん(笑)。
友 達 「もー苺花はすぐそうなんだから。まぁでも、今日は用事あるとか言ってたし? 遅くならないうちにその用事済
ませときなよ。じゃね、バイバーイ」
苺 花 「うん、ばいばーい!」
G M それで苺花は思い出したんだけど、今日は、塾の講習の説明会に行ってみようと思ってた。顔を出してみよう、ぐ
らいの軽い感じで。
苺 花 うんうん。じゃあ、日誌を職員室に置いて帰ろうか、と立ち上がる。
G M とそこで、2―Dの前の方の入り口から「佐々木さん?」と苺花に呼びかけ、手を振ってる女の子がいる。
苺 花 その子のこと、私は知ってる?
G M うん。彼女は隣のクラス(2―C)の委員長で、名前は内村るり。眼鏡に黒髪をひっつめにした、平凡な容姿の、
いかにも委員長、な感じの女の子です。委員会とかでも何度も顔を合わせていて、ちょっと真面目すぎるきらい
はあるけれどいい子、と苺花は認識してる。
苺 花 そんなに仲が良いってわけでもなく?
G M うん、すっごい仲良しって程でもないけど、普通の友達、って感じかな。彼女は件の塾の講習に、「一緒に行こう」
と誘ってくれた子で、今も苺花を迎えに来てくれたみたいです。
苺 花 「あっ、ごめんね! 今日誌置いてくるから、待っててるりちゃん!」
る り 「ううん、いいよいいよ、ついてくよー。一緒に職員室寄って、それから説明会に行こうよ」
苺 花 荷物を纏めて、日誌を持って、るりちゃんと一緒に教室から職員室に向かいます。
G M じゃあ廊下を歩く道すがら、普通に女の子同士のおしゃべりをしながら歩いていきます。るりは真面目な子で、あ
まりファッションなんかの話題には興味がありませんが、受験や進学のことになると、もう真剣に考えているらし
く話を振ってきます。
「そういえば佐々木さん、もう進学のこととか考えてる?」
「ん…やっぱり大学には行っとこうかなぁって。将来何をやりたいのかがわからないから、それを探す時間の猶予として、
四大にはやっぱり行っときたいかなって」
「そっか。そうだよねー、そうなるともう2年の段階から塾とか、講習とか考えとかなきゃなんないよねー」
「ちょっと灰色だよねー」
あはは、とちょっと虚ろに笑い合う。きっと超えれば他愛も無くなる、でも今は凄く重く感じる将来への不安を燻らせた
まま。
「でもほら、それがやらなきゃならない事なわけだし。やっておかないで後で後悔する人になるよりは良いじゃない?」
るりはいつもの彼女らしく、きっぱりと言いきったけれど、その後珍しく僅かに照れを見せて、冗談めかして言葉を続け
た。
「もし、進学するんだったら…佐々木さんと同じ大学に行けたらいいかなー、なんてちょっと思うんだよねー! 何か恥
ずかしいなぁ! 友達同士で同じ学校行くなんて、今時流行らないよね!」
「えっ、何学科とかを目指してるの?」
「えっとね! 文系の四大に行きたいの。ちょっと遠いんだけど、○○大のー…」
促しに、嬉しそうに彼女は言葉を紡いだ。普段大人しめな彼女にしては本当に珍しく、ぽんぽんと軽快に色々な学科やら
選択科目やらの説明をしてくれる。
辺りはすっかり夕暮れ時となり、グラウンドから野球部の掛け声やテニス部のボールを打つ音が聞こえてくる。たまにグ
ラウンドを横切る見慣れない風体のおじさん達は、近所の教会の工事をしている業者さん達らしい。
きっと、明日もいい天気。
そんなことを何の躊躇いも無く思えてしまう、当たり前の日常だった。
G M るりは本当に楽しそうに、色々な学部とかの説明をしてくるね。水○しげる学科とか(一同笑)。
苺 花 マニアックだよ内村!(笑)えと、苺花としては、そうやって一生懸命仲良くしようとしてくれてるところが、心
の底から嬉しいよ。
G M るりは苺花と同じ委員長だけど本当に真面目すぎて、「委員長だから」っていう理由でクラスメートからは軽く敬
遠されてるとこもある。
苺 花 ちょっと要領悪い子、ってタイプなのね。
る り 「やーもう、私も委員長やってるからって色々皆に押し付けられたりするんだけどさ。佐々木さんは『やらされて
る』って感じじゃなくて『やってあげてる』って感じで、ちょっと羨ましいなって思う」
苺 花 「えっ、だって手が空いてれば自分でやる方がいいし」と素で言う。
る り 「そう…かなぁ? 何か、やらされてるって感じがして、ムカッとくることってない?」
苺 花 「そう? 楽しいよ??」と素で返す(笑)。
る り ちょっと吃驚して「へぇ〜…そうなんだ。私は…ちょっとそういう風にまでは思えなくて。たまにちょっと、『何
で私だけこんなことしてるのかなぁ?』って思っちゃうんだよね。本当たまにね?」
苺 花 「そういう時には、他の人に頼っちゃえば良いよ。あたしもいるし!」どーんと胸を叩く。
る り 「…ありがとう」本当に嬉しそうに言うね。そのうち、職員室の前に着いたよ。
苺 花 こんこん(ノック)「失礼しまーす」。
G M がらがらー(開く音)。顔見知りの先生が、「おう、佐々木どうした?」とか声をかけてくるよ。
苺 花 「日誌置きにきたよっ」
先 生 「お前なー、先生に向かってその口の聞き方は駄目だろー!」と叱りながらも笑ってます。
苺 花 「大目に見てくださーい」と言いつつ、担任の先生のところに行く。
G M ん、解った。それじゃあそこには、担任の先生と話をしてる、見慣れない生徒がいるね。制服が新しめで、髪の長
い女の子。先生は「おう佐々木」と声をかけて来ます。
苺 花 「えっと、日記書いたんで置きに来たんですけど」
担任・南里先生(以下南里)「おう、そっかそっか。日誌のこと忘れてた」(一同笑)
苺 花 「忘れないでくださいよぅ!」
南 里 「いやすまん、最近年でなー。お、そうだ佐々木、紹介しとくよ」
苺 花 ? きょとん。
G M その言葉を聞いて、生徒がくるっと苺花の方を振り向くね。
長い黒髪が、さらりと流れた。やや癖がついて跳ねているが、綺麗に手入れがされているのは見ただけで解る。苺花も女子にしては
背が高めだが彼女はそれよりも高い。
「明日からうちのクラスに入る、高里基子さんだ」
という担任からの促しに、彼女は小さく頭を下げるだけで応えた。
苺 花 「このクラスの委員長をしてる、佐々木苺花です。高里さん、よろしくね?」と覗き込んでにっこり笑う。
基 子 「…よろしく」って言うだけ。
南 里 「そういや佐々木お前、今日塾の講習があるとか言ってなかったか? 内村待ってるのに行かなくていいのか?」
苺 花 「あっ、るりちゃん待たせてたんだった! 先生さよーならー!」ぱたぱたーっと先生に「職員室の中走るなー!」
と怒られながら帰る。
南 里 「気をつけて帰れよー」
職員室の入り口で一度頭を下げて、苺花は駆けていく。
その後姿を、高里基子はじっと見つめていた。
G M とここで、苺花のオープニングは終了ー。内村るりに対して、ロイス取ってください。
苺 花 んー…やっぱり、ポジは連帯感かな。ネガがねー…食傷で。何でこの子こんなにあたしのこと好きかなってちょっと思うかもしれない。
G M オッケイ。じゃあ次は京也ー。
京 也 うぃっす。
⇒Opening02