Middle11 作曲家(コンポーザー)の嘆き
G M じゃあ苺花に戻るよー。放課後、あんな事件(Middle07)はありましたが、普通の放課後。ちょっとぼんやりして遅
くなったので、周りにあまり人はいない。教会の工事の音が煩いけど、微かにこんな曲が聞こえてくる。
たたたたーん♪ たたたたーん♪ たたたたん、たたたたん、たたたたん、たたたたん…
苺 花 「結婚…行進曲? …工事中、のはずだよねー…」教会を振り向く。
G M 工事中ってことで周りがビニールで囲まれてるけど、中に入ることは出来る。音は中から聞こえてくるよ。
苺 花 何か、無性に気になって、中に入ってしまう。
G M 教会の中にはパイプオルガンがあって、音はそこから聞こえてくるみたいだ。入り口から入っただけじゃ、誰が弾いて
いるか解らない。
苺 花 誰が弾いてるか確かめる為、近づいちゃう。普通に入れば良いのに、何故か息を潜めて覗く。
G M 聞こえてる音からして、奏者が凄く上手だということは解るね。弾いてる人はちらりちらりと見えるけど、苺花、君は
その人に見覚えがある。
苺 花 ある?
G M 野暮ったい感じの、中年の人。凄く地味。
苺 花 あ…あの、汗を拭きまくってた人(笑)。
G M うん。君があの日、あのビルで会った人に、間違いない。
苺 花 それで…、見覚えがあるっていうことは、そこまでのいきさつを思い出すのかい?
G M 殆ど思い出した。突然の耳鳴り、周りの生徒達が苦しむ、
苺 花 びたーんびたーん?(一同笑)
G M びたーんびたーん(笑)。漏電する力とか、そこまでだね。まだ肝心なところが出てこない。
苺 花 思い出して…思わずばたーん!(続き間の扉を開いた音)と駆け寄っちゃう。
G M じゃあ、オルガンの音はぴたっと止まる。今気付いたかのように、その男は君の方を見る。
苺 花 「貴方、あの時の…!」と言ってから、あの時ってどの時だ?って混乱して、でも引き止めなきゃって思って、必死。
G M 男は手を休めて鍵盤から離し、立ち上がる。「やあ…佐々木苺花さん、だよね? あれから、どうですか? 身体の調
子は」
苺 花 「…あれから?」
男 性 「あれから、です。昨日、ですね」
苺 花 昨日確かにこの人に会ってる、会ってる、でも昨日、昨日私どうやって家に帰ったんだっけ…?(混乱中)
男 性 「…覚えていないのですか?」
苺 花 頷けずに、首も振れずに、ただ相手を見る。
男 性 「思い出せていないのですね。それでは不完全だ。貴方はまだ能力を使うことが出来ないと言うことですね。…全く持
って残念だ、それじゃあいけないんだ、そうじゃあないんだ!!」とヒートアップして鍵盤をバーン!と叩いてる。
苺 花 こ、怖…!(笑)
男 性 「私が欲しかったのはそうじゃない!!」
苺 花 「力って、何!? 何言ってるのか全然解んない!」
男 性 「貴方が解る解らないの問題じゃない! そうじゃあないんだ!!」狂ったように鍵盤を叩き続ける。工事のおかげで
外には漏れないけど、教会中にその音が響きまくる。
苺 花 凄く耳障りで、耳を塞いで…思い出せそうな記憶が交錯してる状態で、その場に座り込む。
男 性 バァーン!!とひときわ強く鍵盤を叩いて、ふらりと立ち上がるね。「駄目だったか…。じゃあ、仕方がないのかなぁ。
貴方も…死んでもらうことしか、出来ないのだろうか」…と近づいてくるけど。
苺 花 来る…!(汗)危ない、っていうのは本能的に解るから、震える足で立ち上がって、後退る!
G M 男は慌てず、距離を測るようにじりじりと近づいてくるね。教会の外に出るのは可能ですが?
苺 花 出る!!
京 也 じゃあそこで、サイドカー付バイクで丁度辿り着く!
G M おおおおおお!
苺 花 出てきたー! 何なのこの恥ずかしい展開は!!(一同笑)
史 明 巻き込まれたー!?(笑)
京 也 巻き込んだ。(笑)
G M じゃあ、苺花の恐怖を打ち消すかのような激しいバイクの音! 急ブレーキ!
史 明 「あ、ああ、あ〜」サイドカーから吹っ飛ばされかける(一同笑)。
G M 京也と史明が辿り着いた時、教会から蒼白になった苺花が、まるで誰かに追い詰められたかのように飛び出してくる。
史 明 そっちに向かってく。「イインチョ、イインチョ」
京 也 「委員長!」て呼ぶ。
苺 花 「ここ、危ない! 逃げなきゃ!!」
男 性 「逃げることなど、出来はしない」パチンッ!と指を鳴らすと、また辺りが白黒になる。
京 也 「<ワーディング>か!!」
史 明 その男には気付くんですよね?
G M うん、間違いないね。坂本徹、<コンポーザー>だ。
史 明 「こんにちは、<コンポーザー>(笑顔)」
坂 本 「やあ、<裁きの雷>に<双頭の魔狼>、で宜しかったかな?」
史 明 「うん」
坂 本 「ここに辿り着いたと言うことは、ある程度推測が出来たということで、良かっただろうか?」
史 明 「なんとなくね? 貴方が何を目的としてるのかは、解んなかったけど」
坂 本 「そうだろう、そうだろう。私の曲は、まだ完成していない。完成していないんだ!」
史 明 「てゆーかねぇ、理解する気ないしね〜(黒笑)」
坂 本 「解っている! 私の曲は理解されない、それは解っている!」
史 明 「ふぅーん」
坂 本 「だが、それを解ってくれたファルスハーツ!! しかし連中も、私の曲で手駒を増やす、その程度にしか使わなかっ
たようだが…。そうじゃないんだ!! 私の目的は―――私の創作欲を掻き立てるオーヴァードを見つけたかった!」
史 明 「ティターニアとかオベロンでも探すつもりだったのかにゃー?(ニヨニヨ)」
坂 本 「そう。そうなんだ!! 良く解ったな!」
史 明 あれっ!?(一同笑)
苺 花 当たっちゃった!(笑)
坂 本 「そう、ティターニア、ティターニアは見つけることが出来たんだ! そう、君達の後ろにいるように!!」
一斉に、三人は後ろを振り向いた。
背中には蝶の羽。
瞳は巨大な複眼。
鳴鈴高校の制服を着た、女子で「あろう」人の姿。
そして、その後ろに、数々の学校の制服を身に付けた、無数のジャームが立っていた。
苺 花 いや〜〜〜!
坂 本 「だが、曲の完成にはティターニアだけでは不十分だった。オベロンが欲しかった! しかしオベロンは、現れなかっ
た。彼女も(苺花を見る)、能力に目覚めてくれる様子は無い。やはり今回の私の作曲も、上手くはいかなかった。あ
あ上手くはいかなかった」そう言いながら、立ち去ろうとするね。
京 也 「逃がすか、ヘボ作曲家が!」坂本の方に向かって、苺花を背中に庇う。
史 明 逆にティターニアの方を向く。「ふぅん…」苺花を挟む感じで。
苺 花 何が起きてるのか解らない…。
坂 本 「悪いけれど…もう少しで、もーう少しで、素晴らしい曲が出来そうなんだ! 放っておいてくれるかなぁ?」そのま
ま、坂本を庇うように沢山の高校生のジャームが道を塞いで、坂本はその場から去っていく。
京 也 それは止められない?
G M うん、止められない。
京 也 なら「邪魔すんなら容赦しねーぞ!」って上着を脱ぐ。で振り向かずに、「委員長! お前はこっちには来るな!!」
と叫んで、<完全獣化>する!
G M じゃあ、苺花の目の前で、京也の姿は変わっていく。金色の髪は見る見るうちに黒い獣毛になり、2つの首を持つ狼に
なった。
史 明 俺はあんまり外見に変化はないけど、ちょっとパリパリしてるかな。
G M 振り返れば、矢作の身体も青白い光を放ち始めている。で、ジャームの制服集団の一番前に彼らを率いるように、蝶の
羽と複眼を持った女―――<ティターニア>がいる。
ティターニア 「もうこれ以上関わる事は止めて。私は、私のしたいようにしたいだけなの」
史 明 「(挙手)じゃあ俺は俺のしたいようにする!(一同笑)だからここにいる」
京 也 「そーいうこった。お前とはあの夜の決着つけてやる!」ティターニアに向き直ります。
史 明 「何組のどんな子かは、そのかっこじゃもう解んないけどさ。通してくれないんだったら、突っ切るだけだもんね〜〜
〜」(妙な動き)(一同笑)
苺 花 その情景を、凄く現実感がないように感じてて怖かったんだけど…矢作のいつも通りの台詞に、現実なんだっていうこ
とに気付かされて、愕然とする。
G M 迫り来る化け物の群れ。目の前で変異した、藤倉と矢作。苺花の心は、フラッシュバックするようにあの日のことを思
い出す。
―――変異していく学生達。
―――藤倉「だったもの」に切り裂かれて飛び散る学生の破片。
―――矢作の放った雷で砕け散る学生達。
―――それらは、目の前の生徒が輪切りにされたあの光景を思い起こさせた。
苺花の身体に、ぞくりとした怖気が走る。
なんとかしなければ。理解は出来ないけれど、現状を打破したくて、苺花はぐっと胸を押さえる。
その瞬間――――身体の内から湧き上がってきたのは、 炎 。
ゴオオオオオウッ!!
熱の波はあっという間に、藤倉を、矢作を、ティターニアを、そして全てのジャーム達を―――飲み込んだ。
G M 頑張れ! 京也と矢作、<RC>で判定!
苺 花 私、燃えるから!(笑)
史 明 侵食率もう80超えしてるから、ダイス増えるんだよね(ころころ)。14!
京 也 (ころころ)よっしゃ28!
G M まぁ、エフェクトじゃなくイメージだな。背中を押されるような熱、湧き上がる炎。円形に燃え上がった炎に、京也と
矢作は耐えた。でもそれ以外は、苺花があの日見た光景と同じになる。燃え上がる学生達、ティターニアにも火は燃え
移る。
ティターニア 「イヤアアアアアア!!!」炎に巻かれて、悲鳴をあげてごろごろと転がる。
苺 花 我に返って、「ダメ、止めなきゃ!」って思う。
G M じゃあ止まる。(あっさり)そう思った瞬間に、さーっと波が退くように炎が消えていく。率いられていたジャームた
ちは皆黒焦げになってぶすぶすいってるけど、ティターニアは生き残った。羽や複眼や触角が燃え落ちて、その下から
現れた姿は―――内村るり。
苺 花 …信じられないようなものを見る目で、「…るりちゃん…?」って問いかける。
G M 内村は凄く苦々しい顔をして、何も言わずにだっと駆け去る。
苺 花 追いかける! 「待ってお願い! 何が起きているの!? どうしちゃったの!?」って呼びかける。
G M その言葉を聞きながらも、内村の足は止まらない。
史 明 内村を追う苺花の背中を見送りながら、藤倉の背中を押す(笑)。
京 也 何で俺!?(一同笑)あ、<完全獣化>は解除する。
史 明 「追っとけ?」(笑顔)
京 也 「…しまらねぇな」と言いつつ、上着着て後を追うよ。
史 明 手を振って見送った後、携帯を取り出す。
G M じゃあここでシーン終了〜。
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