Ending03 銀の鎖





G M 異常気象が続く中、夜になって…まだ春姫は帰ってない、多分雪かきに手間取ってるんだろう(笑)。一人でマン
    ションにて。
 斎  いつも通りごはんを準備しようとして、包丁持ったり鍋持ったりするんだけど何も出来ない。持ったり置いたりを
    繰り返したり、水出しっぱなしにしたり。無意識のうちに、首の辺りを掻き毟ったり。
G M わー。
 斎  声を出さずに、「嘘だ、そんなことは無い、嘘だ、そんな事は無い…」と自分に言い聞かせてる。
G M そうか。じゃあいっちゃんが一生懸命そうしてる時――――。




不意に。形容しがたい怖気が、背中を駆け上った。
振り返れない。だが、解る。自分に最も近しい存在が、部屋の外に来ている。
行きたくない。会いたくない。そう思っている筈なのに、足を止める事が出来ない。
一歩ずつ。一歩ずつ。足は進み、震える手が、ドアノブに伸びてしまう。鍵も、自分から開けてしまう。


ドアを開く。誰もいない。


でも、まだ呼んでいる。声が聞こえる。聞きたくないのに、聞こえる。足はまだ止められない。
マンションの外まで、出てしまった。
辺りに雪はまだ積もっている。足跡一つ無い。異常気象に、きっと誰も外を歩いていないのだろう。


そこに、一人の男が立っている。


銀髪の男が、立っている。


目を、逸らせない。




その男は、何事も無かったかのように―――いつも通り普通に、呟いた。まるで、あの頃から変わらずに、続きを始めるように。





「アズラフィル。―――帰るぞ」






―――sun sets……, falls in the dark.