Ending02 約束
G M んじゃ次、春姫と斎のエンディング同時にやりたいんだけど。
斎 いいよ?
春 姫 大丈夫です、今シャイニール○ナスなりを潜めてますから(一同笑)。
G M 二人は数日後、某所…嘗ては甲斐・信濃と呼ばれていた地にある、武田信玄の墓石の前に来ております。こ
こ数日の事件における、死者の強い思いなど知ったことではないように、ただ重厚に佇んでいます。
斎 あれからどうなの、他に死者が蘇った事件とかは?
G M それは無かったよ。史跡倒壊も、人間の世界では悪質な愉快犯による犯行であると片付けられて、そのうち
忘れられていくでしょう。
斎 そっか。
G M 平日の昼間だから他に訪れる人も無く、二人で墓の前に佇んでる感じだね。
斎 花とかは買って来てるだろうし。
春 姫 うん、それを置いて、手を合わせる。
斎 天使だけど(笑)、同じく仏教風に手を合わせる。その時も春姫の顔は見ないようにちょっと後ろにいる。
春 姫 「………………」(ずっと手を合わせている)
斎 「………………。春姫」返事は期待してないけど、背中に声をかける。
春 姫 「………………」
斎 「武田信玄という人物は、お前にとって、『仕えるべき人』…という以外ならば、どういった人だった?」
武士としての御館様じゃなく、春姫から武田信玄という人について。
春 姫 「…………………」
斎 「………好きだったか?」
春 姫 「…うん」
斎 「いっぱい好きだったか?」
春 姫 「うん」
斎 「すっごく好きだったか?」
春 姫 「う、ん」(じわ)
斎 「そうか」後ろでちょっと笑う。
春 姫 「………小さい頃の、あたしにとって。御館様は…山みたいな人だった」
斎 「………」
春 姫 「そこにいつも、当たり前の顔をして…当たり前に、在るひとだと思ってた。………まぁ、そんなことは、
無かったんだけど。………でも」
斎 「…でも?」
春 姫 「色んなことを…あまり口に出して教えてはくれなかったけど…色んなものを、与えてくれる、そういうひ
と、だった」
斎 「………」
春 姫 「そして、大切なひとはいつかいなくなるってことを…はじめに、教えてくれたのも、このひとだった」
斎 「ん……」
春 姫 顔を上げて、いっちゃんの方を向く。「でもね」
斎 「うん」
春 姫 「そうやって、いなくなっても。そこにその人はいなくなっちゃうかもしれないけど。自分が忘れさえしな
ければ、もう手は届かないけど、近いところに一緒に居てくれるんだって、思えるようになった。このひと
がそれを教えてくれたからこそ、今あたしはここにいるんだ」もう一回振り返って、勢いよく頭を下げる。
「ありがとうございました!!!」
大きな声が、空に響いた。
その声はやはり掠れていたけれど、きっと、届いた。
再び振り向いた彼女は、満面の笑みで言う。
「帰ろう、いっちゃん!!」
斎は僅かに微笑んで、彼女の手を取った。
「俺はずっと、お前の傍に居るぞ?」
「うんっ!! それはあたしも、一緒だよ。あたしだっていつも、いっちゃんの傍にいるよ!!」
そのまま、二人で歩き出す。顔から笑みを零れさせて。
それでも。
『―――大切なひとはいつかいなくなる―――』
…彼女のその言葉が、斎の胸に、何故か楔のようにきちりと小さな痛みを齎していた。
それは、消えない不安の前兆か。
彼女との約束を、いつか違えてしまうかもしれない自分への詰りか。
その思いに蓋をして、斎は握った手に力を込める。
「きっと、ずっと、居る」
自分に言い聞かせるように、そう呟いて空を見上げた。
―――sunrise.