Ending02 忘れられぬ痕、思い出す疵
G M はい次、斎のエンディング行きます。クリスマスから数日後、またマンションで英瑠とお料理教室を開く
ことにしました。
斎 (笑)いいよ。
G M 冬休みはじまってから英瑠もヒマなので。でも本当はクリスマスの翌日辺りに第二回、ということになっ
ていたのに、諸事情あってここまで延びてしまいました(笑)。
英 瑠 「すまなかった、折角誘ってくれたのにこんなに遅くなってしまって」
斎 「いや、俺も仕事が入らなければ暇なんだ。そうだな今日は…春姫が中華丼を食いたいと言っていたから、
中華丼だ」丼ものなら手つきはいいぜ(笑)。
英 瑠 「解った」
G M とまあ暫くは順調に作業をしているわけですが。
英 瑠 「アズラフィル」魔の名前で斎を呼ぶね。
斎 返事をしないで視線を送る。
英 瑠 「私の思いは、あの時叫んだもので全部だ。他には無い。例え『神を捨てた』と言われても、この思いが
あれば生きていける。だが…」
斎 「………」
英 瑠 「あの日の、あの言葉は、嬉しかった。…感謝する」
斎 「…そうか」少し笑って、料理の続きをする。英瑠がそこまで解っているなら、もう斎に言うことはない
よ。
G M うい。じゃあ作業が終わって、もうちょっとで完成の辺り。もう一度英瑠が口を開きます。
英 瑠 「…くゆが、お前に伝えて欲しいと言っていた」
斎 「?」
英 瑠 「現在、リファルサ=ルングと名乗っている男の、本当の名前だ」
英瑠の唇は、いつも通り静かに言葉を紡いだ。
くゆが、「代わりに伝えといて」とぼやいていた名前。何故わざわざそんな事を頼むのかという疑問は持ったが、
彼からの願いを断ることなど有り得ない。
だから、躊躇い無く伝えた。
その言葉が、斎にとって最大級の爆弾になることにも気づくことなく。
「その男は、魔王の526番目の息子」
その数字だけで、一瞬斎の心臓が跳ね上がった。何故、と自分の心に問う間もなく、それは告げられた。
「魔の名を、サミュエルと言う」
ごとん、と中身の入った鍋がシンクに落ちた。
折角作った中華丼の具が、ゆっくりと排水溝に流れ落ちてゆく。
「如何した? 斎?」
異変に気づき、英瑠が気遣うが、斎はそれに応える余裕すらない。
嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。嘘だ。
ぐるぐるぐるぐる、その言葉だけが頭に響く。
顔は蒼白になり、何も言わずに、何も言えずに、ただそこに立ち尽くした。
⇒Ending03