Ending01 彼方からの手紙
G M 斎からです。次の日、カフェ・朧月夜にて、また中村七尾と向かい合っています。
斎 今回の顛末を報告して…「尾上刹那と尾上永久の処遇に関しては、考慮して欲しい」と伝える。
G M はいはい。七尾は報告書を見ながらちょっと笑って「解りました」と言ってくれます。
七 尾 「今回は有難うございました。報酬の方は後ほど、振り込ませて頂きます」
斎 「ああ」
G M …そこで、七尾はちょっと黙って、窓の外を見ます。
七 尾 「…斎さん。人形と人間の差って、一体何なんでしょうか」
G M 別に答が欲しいわけじゃなく、独白っぽいですが。
斎 「…差があった方が良いのか?」
七 尾 「…! そうです、ね。そんなものは、もしかしたら無いのかもしれませんね」と微笑む。「すいませんでした、
変な事を聞いて。忘れてください」
斎 「ああ…」
七 尾 「このお二人(刹那&永久)に関しては、充分考慮させて頂きます。…だってこの二人は、本当に仲の良い姉弟
なんですから。離したりするわけ、ないじゃないですか」
斎 「…よろしく頼む」
七 尾 「はいっ」
斎 あー、尾上七之助の部屋から、何か怪しいものとか見つからなかった? Esプロジェクトに関するものとか。
G M いや、Esプロジェクトには、七之助は完全に横槍を入れてきた部外者だから。…あー…でも、一つだけ。折角
だから言おうかな。
七 尾 「尾上七之助の交友関係と思われる手紙でしたら、何通か発見しましたので、良かったら」
G M Esプロジェクトに関するものも、少しですがありました。そのプロジェクトによって作られる人形の、最重要
機関の名前として―――「フレイムスピネル」という名前が挙げられています。人形の「心」を作り出す、エモ
ーションシステムの原型です。
七 尾 「ちょっと洒落ていますよね、その名前。どうもその手紙を出した人が、命名者みたいです」
G M 手紙の内容は「こういう名前にしようと思う。どうだろうか」っていう感じに書かれています。部外者である筈
の七之助に関わっていた、プロジェクトの中心人物がいたらしいです。
斎 ほうほう。結局内通者がいたってことね?
G M ん、そんな感じ。
興味深げに手紙を見ていた斎の目に、文末に結ばれた差出人の名前が映った。
――――Lifarza=Runge―――リファルサ・ルング。
それを見た時、何故か斎の心に一瞬だけ、何かが引っかかった。すぐに心の奥底に沈んでしまったのだけれど―――。
七 尾 「いろはさんの事もありますし、何かお役に立てればと思いまして」
斎 「助かる。もしまた何か解ったら、すぐに連絡が欲しい」
七 尾 「はい、必ず」
そう言って、中村七尾は去っていった。
斎は一人店内に残り、自分の友人である強き少女とその父を思う。
「フレイムスピネル…偽物のルビーか。…そっとしておいてくれれば、良いんだが」
一人呟くその言葉は、誰にも聞かれることはなく。
やがて立ち上がる。別口の大切な友人に、約束の菓子を買っていかねば。
窓の外は変わらず、秋の日差しが緩やかに照らしていた。
⇒Ending02